〔アジアの闘牛(下)〕
牛の種類の他にも、徳之島の様に勢子が牛の横につくこともなく、両牛の自由に闘わせている地域が多いように見受けられます。闘牛場にしても、木製のリングはまだ良い方で、人間が取り囲んで柵の代わりを務めているような地域もあります。
かつて、日本や海外の闘牛を研究し論文を発表していた成城大学の山田直己教授が徳之島に調査にいらした際に、中国の闘牛に関する話を伺ったことがあり、収穫作業を終えた水田の土手を生かした闘牛場で、農耕に使う牛を持ち寄って闘わせ楽しんでいたとのことでした。
徳之島の闘牛に関する古い写真にも、川の河口らしき場所で大勢の人が囲んで闘牛を観戦しているものがあります。そのような点からもアジアの闘牛には、「牛同士が縄張り争いをする様子見て自然発生的に始まった」とする、闘牛の起源を裏付ける一面が残っているのではないでしょうか。
写真:インドの闘牛(You tubeより)